特長紹介:YZ250F

01熟成の249cm3DOHC 4バルブエンジン
水冷DOHC単気筒4バルブエンジンは、優れた吸排気性能を発揮する前方ストレート吸気・後傾シリンダー・後方排気レイアウト。アルミ鍛造ピストン、2本リングピストン、チタン製吸排気バルブ、オフセットシリンダーなどにより、扱いやすい出力特性と力強いトルクを両立している。
02中高速域の出力特性に優れる後方ダクトエアクリーナーボックス
エアクリーナーボックスを後方ダクトとし、通気抵抗を低減するラウンド形状のエレメントを採用。これに最適化されたECUを採用することで、低速域の扱いやすさを維持したまま、中高速域でのパワーを高めている。伸びやかな加速力と優れたオーバーレブ特性を発揮し、ビギナーからエキスパートまで幅広いスキルのライダーのニーズに応える。
03フリクションロスを低減し、耐硬直性を高めたカムチェーン
フリクションロスが少ないカムチェーンは、伸びやかなエンジンの高回転に寄与。噛み合い時の面圧を減らすワイドなチェーン幅によって、高い耐硬直性を備えている。これに合わせて、吸・排・クランク側の各スプロケットとダンパー、およびテンショナーは高バランスのセッティングを実現している。

04人車一体感を高めた専用フレーム
直進安定性、バンプ吸収性、旋回性などの要となる、タンクレールのたわみ。これを競技用として最適な特性にチューニングされた専用アルミフレームを採用。タンクレールの角度、ヘッドパイプまわりやピボット部などタンクレール前後の保持形状の設計、ダウンチューブを含めた各部の剛性チューニングなどにより、フレーム環形状全体での剛性を適正化している。エンジンハンガーも専用設計とし、スピードを維持したままのコーナーエントリーをイージーに。コーナリング中のラインの自由度が広がるなど、人車一体感を追求している。

05卓越した減衰特性を備える前後サスペンション
KYB製前後サスペンションは、高いトラクション感とバンプ吸収性を実現する減衰特性にセッティング。フロントサスペンションは、一部にデルタ形状の積層バルブを備えることで、ワイドな流入側オイル通過孔による調整されたオイル流量を実現。これにより、フロント廻りの挙動の穏やかさ、操作性に貢献している。また、工具を使わず手回しでセッティング変更できる圧減衰調整機能を採用。さらにビッグサイズのフォークガードでインナーチューブの傷付きを抑止。強化ダストシールの採用によりダスト侵入を抑え、オイルにじみのリスクを軽減している。リアサスペンションは、様々なシーンにおいて、ライダーが安定した車体姿勢を保つことができるレバー比とセッティングを持つリンクとなっている。トラクションフィーリング、ジャンプ時の踏みきりのしやすさ、空中でのバランスの取りやすさなどに寄与している。
06高いコントロール性を発揮するリアブレーキ
モトクロスライディングにおいて、ライダーの操縦感覚に大きく影響するリアブレーキ。ホース剛性をあえて低減することで、コントロール幅を広げてた。制動力の高さを維持したまま、右足の繊細なブレーキペダル操作に対しよりリニアに反応する。
07細部に及ぶ徹底的な軽量化で走行性を追求
リアフレームは、バッテリーボックスの剛性を活用することでアルミ製メンバーを省略。燃料系では小型の燃料ポンプとシンプルな懸架構造を持つフューエルタンク、また専用設計の軽量チェーンサポートも搭載する。操作系ではスロットルワイヤーのアウターワイヤーにストランドタイプを採用。重量低減に貢献する軽量なアルミ材のフットレストブラケットは、車両との一体感を感じやすくなる形状となっており、競技シーンの走行性能を追求している。また、従来モデルからリアブレーキホースの固定ホルダーを2026年モデルYZ450Fと同様に変更することで軽量化に貢献している。

08動きやすくズレにくい新シート表皮
シボの形状と深さを変更し、デザインをハニカム調に仕上げた新作シート表皮を採用。突起部分の断面形状に前後の方向性を持たせることで、前方向への動きを妨げず後ろ方向へのズレにくさを両立。コーナー進入時はアクションの自由度を損なうことなく、加速時や登坂時は後方へ滑らずに高いホールド性を発揮する。シート表皮のカラーは車体の樹脂パネルに近い色調のブルーに変更。車体デザインの一体感とシームレス感を強調している。
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- 画像はイメージです。
09コンパクトなライディングポジション
フットレストを低くレイアウトし、ヒップ〜フット間の距離に自由度を持つことで、ひざ周りのポジションに余裕を持たせた設計としている。ハンドルはライダーに近い設定とし、コンパクトなライディングフォームの実現を狙った。また、バーパッドはコンパクトで耐水性に優れるPVC材を採用。フットレストブラケットのストッパー部は、泥詰まり抑止と路面ヒット時の噛み込み抑止を図った形状を採用している。
10高い操作性を発揮するリブ形状ハンドルスイッチ
リブ形状のハンドルスイッチを採用することで、多様なシーンのハードな走行時でも直感的にコントロールしやすい設計となっている。

11盗難抑制に寄与するECUロック機能を搭載
「ECUロック機能」を市販オフロード競技用モデルとして初搭載※1。スマートフォン用アプリ「パワーチューナー」でECUロックすると、パスワードを入力しなければエンジンを始動できない機能を採用。車両盗難を抑制する。
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- ヤマハ発動機調べ 2025年5月現在
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- 画像はイメージです。
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- ユーザーがパスワードを忘れた場合は、パスワード変更&削除だけでなく、ECUロック、ロック解除もできなくなるためECUの交換(有償)が必要になります。パスワードを知らない方によるパスワード変更や削除はできません。

12多機能かつ使いやすい先鋭のパワーチューナー
エンジン特性や電子制御システムをスマートフォンで簡単にセットアップできるアプリ「パワーチューナー」を搭載。直感的に使いこなすことが可能で、あらゆる走行シチュエーションに最適なセッティングを実現する。
(1) 「FI」&「IG」シンプルチューニング
操作は「スムーズ⇔アグレッシブ」表示の1軸バーをタップするだけ。イージーにエンジン特性をセレクトできる。4×4の画面で確認し、好みや状況に応じて「FI」&「IG」の微調整を可能にしている。
(2)トラクションコントロールシステム
走行時、リアタイヤのスリップ傾向を検知すると、点火制御によりエンジン出力を抑え、トラクションを維持。2026年モデルから「Extra
High」が追加設定され、トラクションコントロールシステムの介入度合いを4段階(OFF含む)に調整できる。
(3)ローンチコントロールシステム
スタート時、リアタイヤのホイールスピンを検知すると、エンジン出力を抑え、より効率のよい発進を可能にするレブクリップ機能を搭載。ローンチコントロールシステム作動時の上限回転数を6,000〜13,500r/minの間で500r/min刻みで設定できる。ライダーはスロットルの加減を調整することなく、スタートのタイミングに集中できる。車両の発進を認識するとレブクリップ機能はキャンセル。3速に入るとローンチコントロールシステムがキャンセルされる。
(4)ラップタイム計測機能
ラップ・バイ・ラップ(1周ごとのタイム)が取れるラップタイム計測機能を搭載。セッティング効果や実戦でのラップタイム変位を数値で確認できる。計測は、左ハンドルスイッチにあるモード切り替えスイッチ「マルチファンクションボタン」を押すだけ。走行後、車両ECUが記録しているデータをアプリで確認できる。
デザイン
13直線的な造形でスピード感と力強さを表現
YZシリーズの特徴でもある、水平に突き進む矢のようなスピード感を造形化したホリゾンタル・ムーブメントを強調。リアフェンダー、フューエルタンクからシュラウドのライン、そしてフロントフェンダーに直線的なデザインを施し、突き刺すような力強さを表現している。
14軽快感と操縦性を追求したシュラウド形状
ライダーがより自由なポジションを選択できるよう、スリムなシュラウド形状を採用。細身で滑らかな側面形状を備えることで、走行時にライダーが地面を見やすく、足を動かしやすいデザインとしている。見た目の軽快感に加え、高い操縦性にも寄与しながら、フロントフェンダーの導風効果も相まって、冷却性の確保にも貢献する。
15ゼッケンと一体化したフロントフェンダー
フロントフェンダーはゼッケンと一体設計、ブレーキホースをゼッケンの裏面に回し、短縮スロットルワイヤーとともにシームレスでクリーンなフロントまわりを実現。軽量であると同時に、フェンダーのブレを軽減する最適な剛性も両立している。

16クリーンな造形に力強さを与えるグラフィック
ライダーがまたがってサスペンションが沈み込んだ際にも、水平基調を維持するデザインを採用。YZシリーズのアイコンであるシュラウドのビッグロゴは、力強さとともに、個性と存在感をアピールする。フロントフォークガードにはヤマハのレース活動の伝統を感じさせるスピードブロックを配し、熱いレーシングマインドを鼓舞する。